2013年度
(2013年8月上旬記す)
ご挨拶
よか薬会会長 野田 浩司(第7回生)

  まことに月日の経つのは早いもの、この「ご案内」をよか薬会会員のみな様にご覧い
ただく頃には昨年のよか薬会総会・講演会・懇親会からはや10ヶ月余りが経とうとして
いますが、皆様には恙なくご健勝のこととお慶び申し上げます。この間、やはり日本は
揺れ動き続けてきました。昨年の衆議院選挙での自民公明の大勝で民主党は政権の座を
追われ、先の参議院選挙でも数の上では自公の完勝に終わり、衆参で圧倒的な力を持つ
こととなりました。しかしながら、内政、外交、憲法など、解決すべき、あるいはこれ
から生じてくる重大なテーマが山積しています。これから先、どういう日本をつくって
いくのか、国民一人一人が重い責任を背負っています。喧々諤々、活発、声高に議論し
ていくことが大切だと思います。

  
  会次第
  総 会
  よ か 薬 会 報 告: 庶務(山下正義 28回生)、会計(一木孝治 48回生)
  九大薬学部報告:井上和秀氏(22回生)九州大学大学院薬学研究院主幹教授・研究院長
  「九大薬学の現状:新研究棟建設」
  講演会
  講 演 甲斐 明美 氏 (24回生) 東京都健康安全研究センター 微生物部・微生物部長
      「食中毒のリスクを低減させるための課題」
    座 長 千々和勝己氏 (27回生) 福岡県保健環境研究所 副所長
  懇親会
  日 時  2013年11月9日(第二土曜)  17時 〜20時30分
  場 所  福岡ガーデンパレス 〒810-0001 福岡市中央区天神4−8−15 

【講演要旨】  九州大学薬学部を卒業以来、東京都健康安全研究センター微生物部に
勤務している。仕事は、食の安全・安心を確保するために、微生物学的な検査、調査・
研究等を行うことである。わが国で最も多く発生する食中毒は、従来は、腸炎ビブリオ
やサルモネラ属菌によるものであった。1998年(平成10年)に発生した腸炎ビブリオ食
中毒は839件、サルモネラ食中毒は757件であった。しかし、これらの菌による食中毒は
激減し、2012年(平成24年)には、腸炎ビブリオ食中毒9件、サルモネラ食中毒40件とな
った。一方、代わって増加したのが、ノロウイルス、カンピロバクター、腸管出血性大
腸菌O157などによる食中毒である。2012年には、ノロウイルス416件、カンピロバクター
266件、腸管出血性大腸菌16件が報告されている。何故、腸炎ビブリオやサルモネラ食中
毒は激減したのか、減少しない食中毒は、何が課題であるのかを考察してみたい。ま
た、併せて、細菌検査法の進歩と最近のトピックスについても紹介したい。
【甲斐明美氏プロフィール】
1975(S50)年 九大薬学部卒業(薬剤学教室)、薬学博士。卒業と同時に東京都立衛生研究
所微生物部勤務、2003年組織改編により東京都健康安全研究センター 微生物部、2009年
同センター微生物部長 〔研究分野〕腸管系病原菌(大腸菌,カンピロバクター、腸炎ビ
ブリオ等の食中毒起因菌)に関する細菌学,生態・疫学。著書多数 〔その他〕文部科学
省、厚生労働省などの各種委員会委員