2011年度
会次第

総会 よか薬会庶務報告、会計報告:担当理事
報告  「九大薬学部の現在」:井上和秀氏(22回生) 九州大学大学院薬学研究院
  主幹教授・研究院長
講演  「ひかりを求め続けて〜スーダン、東日本大震災でのNGO活動」
         川原尚行氏 NPO法人ロシナンテス理事長兼スーダン事業現地代表
      座長 山下正義氏(28回生) 北九州市立八幡病院薬剤科副部長
懇親会

 本年度のよか薬会(薬友会福岡支部)は、11月12日(例年どおり第二土曜日)
に、総会・講演会・懇親会を開催することになりました。そのご案内をお送り致しま
す(いままでは2回のご案内を差し上げていましたが、本年から1回としています)。
総会ではよか薬会役員からの事業報告、会計報告などのあと、大学院薬学研究院長の
井上和秀教授から、来年3月に6年制発足以来初めての卒業生が巣立つ薬学における
教育・研究の現状についての報告をいただきます。ついで会場前のロビーで集合写真
を撮り、講演会に移ります。講演会の後は懇親会で大いに旧交・新交を温めて下さ
い。講演会では、NPO法人ロシナンテス理事長の川原尚行氏に悲惨な内戦が続いた
スーダンと地震・津波・原発人災のトリプルパンチをうけた東日本における活動につ
いてお話しをいただくことになりました。ご講演の要旨を紹介します。
要旨
 内戦の続いたスーダン、停戦後の暫定期間を終え、本年南スーダンの独立を迎えた。 この混乱の続く国で、ロシナンテスは医療を中心とした活動を展開している。国情がど うであれ、一般の民は、貧困の中、協力し合うことで、懸命に生きており、そこに光が あると感じる。東日本大震災の後、医療支援を行い、寺子屋設立での教育支援、瓦礫撤 去と活動の幅を広げ、地域住民との信頼関係を構築してきた。未曾有の災害で、被災者 は心に大きな傷を負いつつも、協力しながら、懸命に生きていく姿に光を見出す。本年 7月に、南北スーダンの子供たちを被災地に招待して、運動会を行った。そこには、子 供たちの笑顔があふれ、震災からの復興、内戦からの新しい国づくりの息吹が感じとら れた。状況の全く違うスーダンと東北であるが、笑顔を、そして小さな光を絶やさず、 さらに輝き続けるようにしなければならない。

川原氏のプロフィール
 氏は小倉高校から九大医学部を経て九大第二外科へ入局(医学博士)。高校、大学在 学中はラグビー部のキャプテンとして活躍。外務省、在タンザニア日本大使館に医務官 兼二等書記官として勤務。その後ロンドン大学で熱帯医学を学び、在スーダン日本大使 館に医務官兼一等書記官として勤務。2005年1月に辞職、同年4月よりスーダンで活動 し、翌2006年5月NPO法人「ロシナンテス」を設立。2006年に国際NGO「ロシナン テス・スーダン」を設立。東北地方太平洋沖地震に際しては、いち早く被災地に入り医 療支援を中心に様々な支援活動を行っている(気象庁によると、東北地方太平洋沖地震 及び原発人災による災害をまとめて、「東日本大震災」と呼称するそうです)。パキス タンとアフガニスタンで医療、水源確保、農業支援の活動をしているペシャワール会の 中村哲氏は川原氏の九大での先輩にあたります。

        ロシナンテスホームページhttp://www.rocinantes.org/